睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)とは
眠っている間に呼吸が止まったり弱くなったりして、日常生活にいろいろな障害を引き起こす病気です。
また高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心不全、不整脈や脳卒中などの心血管疾患の原因となると言われています。
主な症状について
朝起きた時に頭が重かったり、口が渇いていたりします。
昼間の症状としては、夜しっかり寝ているのに眠い、体が疲れるなどがあります。
夜間の症状としては、寝ている間に何度もトイレに行くなどがあります。
また本人は気づいていませんが、寝ている間に呼吸をしていない、いびきがうるさいと家族に指摘され発覚することもあります。
このような症状のある方はお気軽にご相談ください。
検査について
簡易検査(当院で行っています)
自宅で寝る前に手の指先と鼻の下にセンサーをつけていただき、血液中の酸素飽和度と鼻の気流から呼吸状態を調べます。
終夜睡眠ポリグラフ検査(当院から福島医大などの専門施設に紹介します)
1泊入院していただき、簡易検査よりも多くの簡易検査より多くの筋電図や眼電図などのセンサーをつけて、睡眠と呼吸の質を調べます。
検査結果は1時間に10秒以上の無呼吸や低呼吸(呼吸が浅く弱くなり状態)が発生する回数を表した無呼吸低呼吸指数(AHI: Apnea-Hypopnea
Index)で評価されます。
1時間に5回以下が正常とされ、以下のように重症度が分類されています。
軽症(5-15回/時)
中等症(15-30回/1時)
重症(30回/時以上)
治療について
CPAP(シーパップ)療法(持続陽圧療法)(当院で行っています)
鼻や顔を覆うマスクを装着し、CPAP装置からホースを介して空気を気道に送ります。
常に圧力を加えることで、気道が塞がらないようにして、無呼吸を改善します。
有効性は高いとされています。
口腔内装置
歯科に紹介し、下あごを前方に固定するマウスピースを作成して頂きます。
軽症の患者さんに有効とされます。
手術療法
扁桃肥大などが原因の際には耳鼻科に紹介し、手術などを検討していただきます。
生活習慣の改善
減量や減酒にて軽減する場合がありますが、効果には個人差があります。