路傍の花

安達太良山麓はわりと手つかずの自然が残っています。
折々の散歩に軽口を叩きましょう。

名誉院長 鈴木 孝雄

七月に

全国的にコロナ感染者が増えているようです。
心して新しい日常生活に留意いたしましょう。

キリンソウ


日当たりのよい石垣で発見。

肉質の太い茎の先端に多数の黄色花、
花弁が披針形で先が鋭くとがり、
マンネングサとよく似ています。


和名麒麟草(キリンソウ)は
牧野図鑑では何の意味か不明とあります。


高知県、徳島県など6県でレッドリスト指定を行っています。

当地では小群生3か所見つけました。

ホタルブクロ


日本全国いたるところに生え、
初夏のころ袋状の花がひらく、
誰でもよく知っている名前です。


「子供がこの花でホタルを包んだので」(牧野図鑑)
「蛍の宿る草」
「穂垂(ほた)る袋」
「火垂(ほた)る袋」

いずれも風情がありますね。

番外:ヒメボタル

ヒメボタルの名が一般に認知されるようになったのは、
つい近年のこと。


奥岳「からまつ山荘」主人木村秋良氏(故人)がヒメボタルの大発生を発見。
通報により、蛍の研究者大場信義氏が
「ヒメボタルの生活史」(1975年)を発表しました。

安達太良高原のヒメボタル発見が
「日本におけるヒメボタル研究の原点」であるとのちに語っております。


ヒメボタルは日本で最も小さいことから「ヒメボタル」の名が。


水辺にすむゲンジボタル、
ヘイケボタルと異なり、
陸生です。


メスは後ろの羽が退化し、
飛ぶことが出来ません。

飛ぶことが出来るのはオスだけで、
このため、生息地が限られ、
当地では標高が800-1000メートルの安達太良山東南傾斜地に生息します。


光り方は黄金色の強いフラッシュ光を放ち、
暗闇の林の中を飛び交う光景はまさに幻想的というべきでしょう。


岳温泉文化協会の仲間が20年間観察を続けております。

6月29日夜、10数匹観察しました。

発生のピークは7月10日前後と思われます。



撮影
「キリンソウ」 2020.6.27 深堀部落にて
「ホタルブクロ」 2020.6.27 岳温泉長坂山道にて
「ヒメボタル」 2008.7.16 奥岳山中にて



2020.7.1



六月に Ⅳ

コロナ東京アラートが解除となり、
往来が多く、
岳温泉の旅館・ホテルの客室の灯がともりましたが、
ようやくという声が弱々しい。

マタタビ


「猫にまたたび、お女郎に小判」と言えば、
効果が著しいことのたとえです。

山仕事から帰った近所の人が
猫の前に実のついたマタタビの枝をほいと投げ与えたところ、
飛びついた猫が夢中で実や葉を齧り始めました。
やがてうっとり、虚ろな目、
酒に酔ったようでした。

小学生のころの鮮明な記憶です。

猫はマタタビが好きなのだという大人たちの説明でしたが、
マタタビに含まれる物質(マタタビラクトンやアクチニジン)が
猫の中枢神経に作用するのだと知ったのはつい最近です。


ローカル線の車窓に飛び込んでくる不思議な光景、
緑なす山林を白く染めるマタタビはまるでお伽話の絵のようです。


マタタビはつる性の木本で、
絡まって高い木を登り、
雄株の花が咲くころ葉が白くお化粧?します。


葉がげに「ウメ」の花に似た白い花が咲き、
近づくと香りがします。


マタタビの名はアイヌ語から来たと言われます。

ウツギ(ウノハナ)


卯の花の匂う垣根に時鳥(ほととぎす)
早も来鳴きて忍音(しのびね)もらす夏は来ぬ・・・
(佐々木信綱作詞 小山作之助作曲)

懐かしい小学校唱歌です。


卯月(旧暦4月)ごろ咲くからウノハナとも呼ばれるウツギは
枝の中心部が中空なので
「空木(うつぎ)」です。


前項にも述べましたが、
ウツギの名が付く木は複数あります(複数の科にわたる)。


その中でも「ウツギ」は分布が広く、
人家周辺に普通に生え、
かつては生垣にされましたが、
現在ではほとんど見られません。


旧深堀温泉跡の生垣でたわわに咲くウツギを見つけました。

番外:旧深堀温泉跡

岳温泉は鉄山の下、
くろがね小屋周辺に湧泉地があり、
「日本三大実録」(貞観5年 863年)記載の小結(こゆい)温泉を始まりとしても
(その以前からあったと考えられる)、
約1300年の歴史があります。


湯元で繁盛した「嶽(岳)の湯」は「大山崩れ」で壊滅、
再興された「十文字岳温泉」(塩沢)は戊申戦争のため、
「深堀温泉」は失火で全焼、
明治39年に現在の岳温泉が再建されました。

まさに「彷徨える岳温泉」です。


深堀部落(深堀村)は古来から「嶽の湯」の補給基地として、
一時は温泉街としても繁盛しましたが、
現在は石垣を残すのみ、
往時を偲ぶ縁はありませんが、
その分自然が残りました。



撮影
「マタタビ」その1  2020.6.18 深堀山道にて
「マタタビ」その2  2020.6.27 深堀山道にて
「ウツギ(ウノハナ)」 2020.6.18 旧深堀温泉跡にて
「番外:旧深堀温泉跡」 2020.6.27 旧深堀温泉跡にて



2020.6.27



六月に Ⅲ

梅雨入りしました。
晴れ間に歩きます。

ユキノシタ


2.30センチの花茎を伸ばし、
その先に5弁の花が咲きます。

上の3個は小さく、
淡紅色の濃い斑点があり、
下の花弁は大きく、
白くなった老人の髭(カイゼル髭)のように立派に見えます。


今年はそこかしこに群生しました。
理由は不明ですが。


和名の由来はよく分かりませんが、
緑の下草の上に粉雪が舞う情景か。

ツルマンネングサ

朝鮮、中国原産の帰化植物、
どこにでも見られます。


花序が傘状に広がり
黄色の5弁の花をたくさんつけます。

花は披針形で黄金の星のように見えます、
なかなか素敵です。


多肉質なので摘み取っても、
捨てても生き残るので万年草の名が。

古名に「いつまでぐさ」とあり、
意地悪で逆説的ですが、
長生き過ぎる?

ドクダミ


淡黄色の穂とこの穂の下にある
白い十字形の総苞片が一つになり、
1個の花弁に見えますが、
花は淡黄色の小さな花が集まっています。


今でも民間薬として煎じて飲まれます。

ドクダミは「毒痛み」の意味だそうです。


ドクダミの花が好きだと言ったら
笑われたことがありますが、
好きだという人も多いです。


深い根茎を伸ばし庭中に蔓延るので、
厄介者にされますが。

ムシトリナデヒコ

ナデヒコは万葉集に数多く詠われ、
「かわいい」という意味があります。


しかし、当地ではこの可憐なナデシコ(カワラナデシコ・ヤマトナデシコ)は
あまり見られません。


一方、ムシトリナデシコはヨーロッパ原産で、
江戸時代末に渡来、
全国的に帰化し、
河原や荒地などにどこでも見られます。


茎の上方がねばねばするので「ムシトリ」の名がつきますが、
食虫植物ではありません。

紅紫色の花は鮮やかですが、
可憐な、秘められた美しさを欠くようです。



撮影
「ユキノシタ」 2020.6.14 道端にて
「ツルマンネングサ」 2020.6.14 道端にて
「ドクダミ」 2020.6.14 道端にて
「ムシトリナデヒコ」 2020.6.14 道端にて



2020.6.19



六月に Ⅱ

先日、親しいN先輩から
水仙の写真入り葉書をいただきました。

「路傍の花」についてのご感想も。

歳がいくつになっても
「褒められる」のはうれしいですね。

手間暇をかけた封書や葉書は特段の趣があります。

昔、金釘流の下手な字を気にしながら、
ポストに入れた感傷を思い出します。

ノイバラ


バラが人類に愛され
親しまれてきた歴史は非常に長く、
紀元前数千年にさかのぼると言われています。

わが国でも万葉の時代から和歌に詠われました。


ノイバラは日本固有種、
優れた原種として現代バラ育成の土台になりました。

山道のそこかしこ、
明るい林縁に白い花とほのかな香りが漂ってきます。


バラの花言葉は「美」、「愛」、「恋」です。


ニシキウツギ(ハコネニシキウツギ)


30年前、お元気だった木村秋良氏は花好きで、
さし木繁殖した苗木を方々に移植しました。

私がいただいた10本も見事成長し、
大きな株立ち、高さ3,4メートル、
毎年たくさんの花を咲かせ、
我が家を飾ります。


花ははじめ白色ですが、
次第に紅色となります。

これが和名「二色空木」の由来です。


バイカウツギ


白い大きな花はわずかに香気があり、
雅やかで、茶席に飾られます。

ウメの花に似ていますので梅花空木の名が。


アメリカシャクナゲ(カルミヤ属)


しっかりしたバラ苗を手に入れるため
通ったバラ園がありました。

何年か前、歳をとったからと廃業しましたが。

そこから頂いた苗木が高さ3メートルを超え毎年花を咲かせます。

常緑樹なのでバラの背景として良く似合います。


原産地は北アメリカ東部、
「カルミヤ」の名前で多数の園芸品種があります。

金平糖のような蕾と広鐘状の淡紅色の花弁が鮮やかです。


「ハナガサシャクナゲ」とも呼ばれます。



撮影
「ノイバラ」 2020.6.7 湯の森公園にて
「ニシキウツギ(ハコネニシキウツギ)」 2020.6.10 自宅にて
「バイカウツギ」 2020.6.12 H宅生垣にて
「アメリカシャクナゲ(カルミヤ属)」 2020.6.8 自宅庭にて



2020.6.12



六月に

晴天続きで暑くなりましたが、
梅雨入りも間近ですね。

コロナ感染症は第2波、
第3波がやってくると言われますから
油断なりません。


人や車の往来が少なく、
静かな公園のベンチに休んでいると、
静寂を破り夕方5時の時報が響きました。

世界的作曲家、郡山市出身の
湯浅譲二氏作曲の二本松市民の歌です。

温かい静かなメロディーに
喜びと勇気が湧いてきます。

ヤマボウシ

40年前になりますが、
初めてヤマボウシを知った時、
白蝶が濃緑の樹林に群がり
羽を休めている様子は忘れられません。

毎年、心待ちにしている大好きな花です。

和名は山法師、
白い花弁のように見えるのは実は総苞片で、
中央の球形の「僧の頭」に被った頭巾に見立てられました。

ミズキ

和名は水木、
非常に樹液が多く、
春先に枝を折ると水が滴ります。

高木で多数の枝を水平に伸ばし、
枝先に白い小さな花が集まり、
たくさん咲いた様子は、
まるで肩を怒らせて両手を伸ばしたようです。

独特な樹形から遠くからでもすぐ見分けられます。

番外:モリアオガエル

わが国特有のカエルですが、
全国に生息しているので珍しくありませんが、
特別天然記念物(国や地方)に指定されたことがあります。

安達太良山麓では標高1300メートルの黄判沼、
800メートルの姫沼をはじめ
岳温泉周辺で5か所の生息地を確認しています。

山地や森で生活し、
樹上で産卵する希少種を
見守っていきたいと思います。



撮影
「ヤマボウシ」 2020.6.5 湯小屋上部にて
「ミズキ」  2020.6.6 岳温泉4丁目にて
「モリアオガエル」 2020.6.3 安達太良体育館前の池にて



2020.6.7



風薫る五月に Ⅴ

5月25日緊急事態宣言が全国で解除されました。

新聞一面には経済活動段階的に拡大
―再流行なお警戒ー(朝日新聞)とあります。

ウイルスとともに生きるため
「新しい日常」が始まりますが、
散歩にもマスクは気が重く、
熱中症の危険も。

雑草とよばれる美しい存在

お馴染のスイバ、カラスノエンドウ、
ヒメジオン、コウゾリナが勢ぞろい。

スイバは酸っぱい葉の意、
味わったことがある人が多いと思います。

コウゾリナは「剃刀菜」、
茎や葉の全体に剛毛があり、
触ると痛いです。

ヒメジオンとハルジオンは
花からだけでは区別が難しい。

ハナニガナ

石垣で花を咲かせています。

葉や茎に苦みが。

黄色の舌状花が5個のものがニガナ、
6-8個のものはハナニガナです。

シロツメグサ

ヨーロッパ原産で、
江戸時代にカラス器(ギアマン)の箱の詰め物として入れられたのが
名の由来です。

葉は普通3葉、
まれに4葉の「四葉のクローバー」・幸福のシンボル、
奇形というか遺伝子の問題ですが。

生息場所を知っています?
内緒?

アカツメグサ

ヨーロッパ原産、
牧草として輸入されたものが逃げ出し、
各地に野生化しました。

ピンク色の50~100個の小花が頭状に密集した花で目立ちます。

葉に淡緑色の斑紋があります。

ヘビイチゴ


名前から気味悪がる人がいますが、
真っ赤な果実には毒はなく食べられます。
しかし、美味しそうですが、
美味しくないそうです。



撮影
「ハナニガナ」  2020.5.25 道端にて
「シロツメグサ」 2020.5.25 空地にて
「アカツメグサ」 2020.5.25 空地にて
「ヘビイチゴ」  2020.5.12 空地にて



2020.05.28



風薫る五月に Ⅳ

5月21日(木)から安達太良小学校の授業が再開され、
下校時に手を振ったら、
明るく元気な反応がありました。

ほっとしているのでしょう、
うれしそうでした。

みんな顔見知りの子たちです。

ギンラン

山道でよく見る花ですが、
立派なラン科多年草です。

花は半開きのまま終わりますので
少し寂しい感じがします。

ホウチャクソウ


花の姿が
寺院や五重塔に下がっている風鈴に似た
宝鐸にたとえています。

ユキザサ

和名は雪笹で、
白い花を雪に、
葉をササにたとえたものです。

林中の群落はそこだけ白い雪のように見えます。

オオマムシグサ

茎の模様が蛇の皮に似ているところから名付けられました。

大きな仏炎苞(ぶつえんほう、花序を包む苞)が
マムシ首のようで不気味です。

秋には真っ赤な果実が見事で、
よく目立ちます。

カラスビシャク

緑の花茎や仏炎苞、
その先に鞭のように高く伸びた突起は
絶妙な姿です。

愛犬ダルメシアンが草原を駆けるとき
高く挙げた細い尾の恰好良さがそっくりだったと思い出します。

ハルジオン

なんて美しいと思わず声が出ます。

春先の乾燥した陽気によく耐え
道端のどこでも見られる雑草です。

しかし、咲き終わった姿は悄然としているように見えます。
やがて刈り取られる運命を予知してなのか。

このような擬人化は自然との会話に欠かせません



「ギンラン」 2020.5.14 湯の森公園にて
「ホウチャクソウ」 2020.5.16 志津橋山道にて
「ユキザサ」  2020.5.16 温泉神社裏にて
「オオマムシグサ」 2020.5.14 安達太良山旧登山道にて
「カラスビシャク」 2020.5.15 自宅庭にて
「ハルジオン」  2020.5.8  道端にて



2020.5.24



風薫る五月に Ⅲ

初恋のときめきのような初々しい新緑が
日増しに濃い緑に染まっています。

緊急事態宣言が解除されましたが、
見えない相手との「新しい生活」や共生は
なかなか難しいですね。

ヤマツツジ

明るい林縁や開けた林中に
そっと赤色を添えます。

まさに春の点描です。

ムラサキヤシオツツジ

5月4日大玉村「赤不動」例大祭の折、
「遠藤ヶ滝遊歩道」を歩き、
杉田川対岸の急峻な斜面に咲く
ムラサキツツジに目を奪われました。

かなり遠い昔のことですが。

ヤシオ(八汐)は幾度も色濃く染め上げる意味で、
その美しさがうなずけます。

サラサドウダン

安達太良山仙女平から少し下った登山道で見た
亜高山帯に高さ4-5メートルもある大木の群落、
サラサドウダンの花が壮観でした。

和名は花冠が更紗染めに似ていることによります。

モクレン

中国原産の庭園樹、
大型の暗紫色の花はユニークですね。


枝が横方向に延びますが、
その水平に近い枝の一つに
中型の黒い鳥がやってきます。

警戒心が薄く、
そばで眺めていても逃げません。

ふと辺りを見渡すしぐさが
なんともかわいい。

枝の上を一周したりします。

毎年やってきます。

その美しい長く伸びる高い声は
一度聞けば忘れられないほどの美声です。

今年は散歩の途中で一度だけ聞きましたが、
家の庭ではまだです。

美声を心待ちにしています。

クロツグミ

窓からガラス、網戸越に撮った写真、
クロツグミです。



撮影
「ヤマツツジ」 2020.5.14 湯の森公園にて
「ムラサキヤシオツツジ」 2020.5.3 自宅にて
「サラサドウダン」 2020.5.17 近くの垣根にて
「モクレン」  2020.5.14  自宅にて
「クロツグミ」 2020.5.17  自宅にて


2020.5.20


風薫る五月に Ⅱ

イタヤカエデ


 うるわしい、妙なる5月に
すべてのつぼみがほころびそめると、
ぼくの心のなかにも
恋が咲き出でた。

うるわしい、妙なる5月に
すべての鳥がうたい出すと、
ぼくもあのひとに打ち明けた、
ぼくの心のひそかな想いを。

シューマン作曲「詩人の恋」より
(詩:ハインリヒ・ハイネ)
(訳:喜多尾 道冬)

山道を歩きながら、
思わず口ずさんでしまいます。

チゴユリ


花咲く姿がほんとうに可愛いので、
「稚児百合」の名が。

明るい林中に群生します。

エンレイソウ


道端で発見しました。

和名「延齢草」、
語源は不明ですが、
一説には薬効のためとあります。

オオバナノエンレイソウ

北海道や樺太など北方型の多年草で、
ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)に似ていますが、
花が大きく見事です。

以前に園芸店で購入した1本が3本になりました。

今年はどうかと見守っていると、
急に大きく成長し、
清楚な大きな白い花が咲きます。

和名「大花延齢草」です。


撮影
「イタヤカエデ」 2020.5.8 自宅前にて
「チゴユリ」   2020.5.8 自宅にて
「エンレイソウ」  2020.5.8 堀山道にて
「オオバナノエンレイソウ」 2020.5.8 自宅にて



2020.5.9



風薫る五月に

風薫る五月、
野山が新緑に輝き、
新生の喜びを歌っています。

コロナ自粛で自宅周辺を歩きました。

サクラソウ

かつて地元の山野草展で1株購入しました。
あちらこちらに群生しています。

日本固有種ですが、
野生種を見たことがなく、
プリムラの名で色とりどり多くの園芸種があります。

プリムラはもともと学名で「最初」を意味し、
春を告げる花です。

クサノオウ

ケシ科の多年草、
和名「草王」と言います。

一説には丹毒瘡(かさきず)に著効あり、
瘡(くさ)の王の名。

シャガ

古くに中国から渡来し、
野生化した、
湿った林下に自生する常緑多年草。

実に美しい、
妖艶な雰囲気があります。

朝咲いて夕方しぼむ1日花です。

ムラサキケマン

越年草で
毎年、今頃になると庭の一角を占領します。

ケマンとは仏殿の欄間など装飾品の意です。

カラスノエンドウ

豆果が熟すると黒くなるので
カラスに喩えられました。

ムラサキがきれいなので好きな草です。
つる性。

カキドオシ

つる性で垣根を通り過ぎて向こうまで勢力を伸ばす、
和名「垣通」です。

何所でも見られます。

撮影
2020.05.03 自宅周辺にて

2020.05.06



早春を歩くⅤ

アズマシャクナゲ(シャクナゲ)


日本特産種です。

アズマは東国の意味だそうですが、
安達太良山麓の深山林下に自生します。

葉裏の淡褐色の綿毛が若葉の時期には白いので、
当地では「ウラジロ」と呼ばれることが多い。

頂芽から10個ほどの花が集合し、
開花すると白っぽくなりますが、
淡紅色の色合いが素晴らしい。

見惚れてしまいます。


北向きの玄関脇の松の木陰、
分岐した枝の頂上に咲きます。

毎年、早春の楽しみの一つです。


10数年前になりますが、
誘われて見せていただきました。

太い枝が横に這うように曲がりくねって展開し、
その枝先に数えきれないほどの花がまさに壮観、
感嘆しました。



一方、ハクサンシャクナゲは
アズマシャクナゲ自生地より高度が高い亜高山帯に分布し、
安達太良山では勢至平から上部、
薬師岳の上部に自生します。

また、開花はアズマシャクナゲより遅く、
7月になります。

花の色は白色、淡い緑、薄い淡紅色です。

ハクサンシャクナゲの変種で、
花が八重(雄しべの一部がが弁化)になった
ヤエハクサンシャクナゲは希少種で、
吾妻連峰、安達太良連峰に稀に見られます。

吾妻山の群生地は国の天然記念物に指定されました(1923年)。

発見者、根本莞爾を記念して
ネモトシャクナゲと命名され、
「福島県花」となりました。

しかし、最近は環境の変化により枯れ、
また盗掘などにより株が激減し、
自然界ではなかなか見ることが出来なくなりました。

写真は高校生の頃、
写真家に同行し撮影した
今では貴重な白黒写真と思われます。



撮影
画像上 2020.04.25 自宅にて
画像中 2006.04.29 小関K宅庭にて
画像下 1950.07 安達太良山僧梧台にて



早春を歩くⅣ

4月7日、
コロナウイルス感染症緊急事態宣言が出ました。

医療崩壊危機の岐路に立っており、
外出自粛が求められています。


しかし、高齢者は3日-1週間も運動しないと、
たちまち筋力が減退し、
免疫力も低下します。

「ステイ ホーム」とのジレンマ。
個人の正しい判断が求められますね。

リュウキンカ


20年前から春一番の山歩きは
リュウキンカの観察から始めます。


東日本大震災後、途絶えていましたが、
先日、友人を誘い歩きました。

大きな丸い石の下から湧出、
流れだした小川がくねくねと斜面を下り、
林縁の川に合流します。

この清流にリュウキンカが群生し壮観です。

茎が直立し、金色の花、
立金花です。

花びらのように見えますが、がく片です。

ネコノメソウ


淡黄緑色の花は日が当たるとキラキラ輝きます。

このための名かと思っていましたが、
果実が猫の瞳に見えるからと書かれていました。

ワサビ


戦後、安達太良山麓に「ワサビ田」をつくったという話がありますので、
自生したものか、逃げ出したものか分かりません。

白い花が清楚で美しい。

シュンラン(ホクロ)


山から帰り、
福太郎と散歩しました。

公園で偶然シュンランを見つけました。


子供のころは、この辺りには
樹林の開けたところにたくさんあったように思います。

花を折ると、甘いいい匂いがします。

ジジババと呼んでいました。

意味が分からなかったのですが、
調べてみると
花の唇弁の紅紫色の斑点から
老人の皺顔に見立て、
また男女の性器に似るからとありました。


撮影
「リュウキンカ」 2020.4.7 Y氏宅裏山にて
「ネコノメソウ」 2020.4.7 Y氏宅裏山にて
「ワサビ」    2020.4.7 Y氏宅裏山にて
「シュンラン」  2020.4.9 湯の森公園にて


2020.4.13



早春を歩くⅢ

ウグイスが猛練習中、
一声一声、上達しています。

「初蝶来何色と問ふ黄と答ふ」(虚子)・・白色でしたが。


コロナ感染症で広い高原を一人占め、
のんびりご一緒いたしましょう。

目の保養に供覧します。


レンギョウ


高村光太郎は生前レンギョウの花を好みました。
命日の4月2日に「連翹忌」が行われます。

今年はコロナで中止のメールが来たと、
智恵子抄顕彰会会長さんが言っていました。

智恵子さんは二本松市生れ、
安逹町に生家が残っています。

スミレ


人恋しくなるほど可憐ですね。

大好きな花。
シューベルト作曲の「すみれ」(D786)も素敵です。

ところが、
この曲はスノードロップ(前掲)のことだったとか。

ツクシ


「ツクシ誰の子、スギナの子」・・本当は逆だそうですが。

ツクシは胞子茎、
スギナは栄養茎で、
正式名は「スギナ」です。

バラ園のスギナは根が深いので苦労させられます。

タネツケバナ


虫眼鏡の世界ですが、
きれいですね。

苗代を作る前にさかんに咲くのでついた名前、
早春にどこにでも見られる風景です。

ヒメオドリコソウ


そう言えばフレンチカンカン帽に似ているかしら。


撮影
「レンギョウ」 2020.4.3 N宅庭にて
「スミレ」   2020.4.3 道端にて 
「ツクシ」    2020.4.4 保育所土手にて
「タネツケバナ」 2020.4.4 近くの土手にて
「ヒメオドリコソウ」 2020.4.4 近くの土手にて


2020.4.5



早春を歩くⅡ

鏡ヶ池、緑ヶ池遊歩道を周りました。

道は小さな草花で着飾っていますが、
ほとんど歩く人もなく静かです。


コロナウイルスの外出自粛、
感染爆発のギリギリの線にあると
小池知事の緊迫した要請に応えています。

感染症に都会も田舎もない。

また、この病魔との戦いは短期決戦ではなく、
半年、1年のきびしい闘いになると
山中伸弥先生の勇気ある発言に感動しました。


14世紀のペスト(黒死病)の大流行
「メメント・モリ」は起こり得ない物語と考えていましたが、
オーバーシュート(感染爆発)による医療崩壊が
現実の悪夢にならないことを願うばかりです。


オウレン(キクバオウレン)

根茎が胃腸薬になります。

常緑多年草、
雪が消え、3月になると
10センチの花茎の先端に白い花を咲かせます。

尖った槍のようながく片がユニークで素敵です。
雌雄異株、雌花は中心の柱頭が膨らんで見えます。


ハコベ(コハコベ)

どこにでも見かける白い花、
小さくて実に可愛らしい。

花弁は5弁だが深く切れ込んで
10弁のように見えます。


バラ園にはたくさんの草花がやってきます。

オオイヌノフグリ、ハコベ、
タネツケバナ、ヒメオドリコソウ、
少し経ってカタバミ、タンポポ・・・と
賑やかなことです。

多少、見苦しくても
花が咲けば取られない。

無精者の独り言です。


撮影
「オウレン」 2020.03.25   自宅庭にて
「ハコベ」  2020.03.27 自宅バラ園にて


2020.03.30




早春を歩くⅠ

新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っています。

目に見えない感染症との戦いは
心眼を持って判断、
正しく怖がることが大事です。

私の長い体験からです。


春の足音がいよいよ高く、
また、福太郎の散歩は欠かせません。

元気いっぱい歩きます。

ロウバイ(蝋梅)とコウバイ(紅梅)


鏡ヶ池からの帰路、
坂道を上り一息ついたところ、
芳香が漂よい、
黄色と紅色の花が並んで咲いていました。


ロウバイはロウ細工のようなユニークな花、
香があります。
梅とありますがロウバイ科で
ウメと縁遠い種です。

ウメは中国原産で古く日本に帰化し、
愛され、親しまれてきました。

通常白色ですが、
紅色、淡紅色のものや、
一重、八重、大輪、中輪などの
300種を超える園芸種があります。

和歌や絵画の題材として、
また、梅干や梅酒など身近です。

学生の頃、
よく金沢兼六園梅園を歩きました。

写真の紅梅は変種の八重咲き
ヤブサウメ(ザロンバイ)と思われます。

フクジュソウ

フクジュソウは別名元日草と言われ、
新年を祝う正月の花とされます。

Hさん宅にて、
きれいですねと声をかけると、
よく主人が鉢上げし
正月に床の間を飾ったと
懐かしそうに目を細めて語ってくれました。

ツバキ(ヤブツバキ)

ツバキ(ヤブツバキ)は
日本とその周辺地域に限って自生し、
日本人との関わりは深く5000年の歴史を持ち、
民俗、文化に結びついています。

幕末、長崎出島からヨーロッパに渡り、
異国的な美しさから大流行しました。

デュマ・フィスの「椿姫」を生み、
ヴェルディが作曲しました。
オペラ「椿姫」、
いつも泣けるオペラ。

二本松ゆかりの世界のプリマドンナ、
関屋敏子についてはいずれあらためて。


撮影
「ロウバイ」 2020.03.13 旧N宅庭にて
「コウバイ」 2020.03.13 旧N宅庭にて
「フクジュソウ」 2020.02.22 H宅庭にて
「ツバキ」 2020.02.28 近くの路地にて


2020.03.19




晩秋を行く Ⅱ

カシワ (柏、槲)

カシワとは
「炊(かし)ぐ葉」の意味で、
かつて大きな葉で食物を蒸すのに利用したことに由来します。


5月、和菓子屋の店頭にならぶ柏餅が良い例、
季節感があり、
つい手が出てしまいますね。

しかし、私たちの戦中戦後、
柏餅は贅沢品、

食べたいと思ったら、
1-2キロも歩いてカシワ(葉)を採りに行かされました。

貴重な米の代わりのうどんこの灰色の皮、
砂糖がなくサツマイモ入り、

それでも小躍りして食べたものです。


カシワの葉は秋に枯れますが、
脱落しないまま越年すると言われます。
(改定 牧野樹木事典)

しかし、当地では風雪のため
必ずしも当りませんが、
今年はどうにか持ちこたえられるか、
あと数日だから頑張れと声をかけます。


英名はdaimyo oak(大名オーク)

カシワの樹皮は厚く、
火事に強いので昔、
大火事が頻発した大江戸のこと、
大名屋敷を守ったとか。

歌人の高原桐「ヒポクラスの樹」には
「赤門口から入ってすぐの三四郎池のほとりに
大きな槲(カシワ)の木がある。
見上げても到底天辺が見えない。
片側が池に当たるのでなおのこと、
見上げることのできない大樹である」
とあります。

三四郎池は加賀藩前田家屋敷の庭園です。
当時も5月になると
子供たちのために柏餅を作ったのかしらんと空想を楽しみ、
これぞ大名オークと考えます。

一方、当地では
カシワは15メートル以下の高木で、
柏餅のためのカシワ(葉)採りは
これが幸いした小学生時の思い出かと感傷に耽ります。

撮影
「カシワ(柏、槲)」 2019.11. 25 

自宅にて

2019.12.25



晩秋を行く Ⅰ

12月1日
二本松駅で久しぶりに会う長女と落ち合い、
第30回 あだたら混成合唱協会定期演奏会
モーツァルト「レクィエム」を聴きました。

渡部勝彦指揮、
手兵のエマイユ・フィル ハーモニック、
合唱団は福島、郡山などからの賛助出演を加え多勢99名。

謎多い未完の古今の名曲を聞く幸せ、
[pius es]の最後の音が消え、
長い静寂・・。

30年間不断の研鑽を祝福し
鎮魂歌の余韻に耽りました。


近頃どんな歌が流行っているのかわかりませんが、
1960年代にはシャンソンブームがありました。

そのシャンソン界の大御所、
女王だったというべき石井好子さんを
親しさをこめて思い出します。

実は義姉が府立第六高女(現三田高校)同級生で、
私は中学生のころにお会いしています。

紅いカエデの葉が散り敷く散歩道で
シャンソン「枯葉」を思い出したわけです。

生涯一度だけのパリ、
ノートルダム寺院に近い暮れなずむ路地に、
茶褐色の薄汚れたマロニエの大きな葉が
強風に翻弄されていた遠い記憶も。

石井さんは素晴らしいエッセイストで、
最近、本棚の奥にサイン入りの「すべて歌にこめて」を見つけ、
夢中で読み返しました。

シャンソンは原詩を理解しないといけないと。


「枯葉」
(作詞 ジャック・プレヴェール)

それは私たちにそっくりな唄
あなたは私に恋し
私はあなたに恋した
ふたりはいっしょに暮らした
私に恋したあなたと
あなたに恋した私と

でも人生は恋しあう二人をひき裂く
とても静かに
音もなく
波は消してゆく
砂の上
別れた恋人たちの足跡を


石井さんは生涯、
大きな舞台に立ちシャンソンを歌い続けました。

2004年東京国際フォーラム、
「かもめ」を歌う凛とした純白のロングドレス姿が
今でも鮮やかに目に浮かびます。

撮影
「落葉」 2019.11. 25 鏡ヶ池にて

2019.12.08



秋を行く Ⅲ

またも想定外、
台風19号の被害の大きさに心が痛みます。
沈みがちな気持ちを鼓舞し散策を始めました。

キササゲ

あれよ!という声に見上げますと、
2,30センチもある長い莢実が
悠然と風に揺れています。

初秋に温泉神社裏の林縁で
「ノササゲ」の花と実を発見してから
散歩の度に探していたものです。

こんなに近い保育所の庭で発見、
驚きました。


野菜のささげ(ささぎ)(*)のような果実を
木からぶら下げるから
その名があります。

中国中・南部原産の落葉高木で薬用、
材木、庭園樹など桐に並ぶ有用樹です。

生け花には落葉後も残る
褐色に枯れた実を風情があるとして、
よく用いられます。
麓次郎著「季節の花事典」に詳しいです。


*「岳のささぎ」
ニコニコ共和国が独立?
一寒村が全国に知れ渡った。
「平成」を一気に飛び越えた昭和57年4月のこと。
今や知る人ぞ知る昔話。

その「徹底身内新聞」と銘打ったニコニコ・プレス、
第1号、第1面を飾った
「ニコニコ歳時記」に大真面目で書きました。

「たまの夏休みに、
岳に帰って食する「ささぎ」に勝るものなし。
とくに宣伝はしないが、
20年前からの確信である。
・・中略、
岳のささぎはケンタッキー、
別名どじょういんげんと言われ、
さや用として一般的なのに
どうしてこう美味しいのか不思議だ。
・・中略、
山盛りの「おしたし」がいい。
ただし乾燥に弱く味が極端に落ちるので、
採取して3日もたったものは食うべからず」。

アシ

秋を代表するものと親しまれているススキは
「すくすくと立つ」から名付けられたと言われます。

しかし、人生も秋が近くなると、
野口雨情船頭小唄「枯れすすき」を想起してしまいます。

ススキやアシはかつて茅葺(かやぶき)屋根に。

終戦後中学生のころ、
大きな農家の屋根葺を飽くことなく眺めた思出、
日本農村の原風景でした。

古代日本は「豊芦原瑞穂国」(とよあしはらみずほのくに)と
アシで表象されました。

古代日本の原風景。


一方、アシは「悪(あ)し」に通ずるとして
ヨシ(善し)と呼ばれます。
融通無碍(ゆうずうむげ)のそしり、
しかし狷介固陋(けんかいころう)よりずっと良い。

撮影
「キササゲ」 2019.11. 5 あだたら保育所にて
「アシ」 2019.10.20 緑ヶ池にて 

2019.11. 9



秋を行くⅡ

イヌタデ

赤い花穂をほぐし
赤飯に見立て遊んだ「アカマンマ」
今の子供たちも遊ぶのだろうかな??


イヌタデは辛くないので役立たずとして
名に「イヌ」が付きました
一方、「ヤナギタデ」(ホンタデ・マタデ)は
辛く刺身のつまに使われますが
辛くて「蓼食う虫も好き好き」と揶揄されます。
―人間のご都合主義―


アカマンマは秋の色
紅紫色の鮮やかさに魅入され
歩が止まります。

タデの仲間の「アイ」(タデアイ)は
高価な藍染の原料です。

また、タデ科には身近なものが多く
日本人の好きなソバ
食べられないミゾソバ
スイバ、イタドリ、ミズヒキなどなど・・・。

シナノセンキュウ

漢方薬のセンキュウに似て
日光白根山で発見されたので名付けられました。

スズカゼリも鈴鹿山脈に多いことによります。

昼なお暗い林中
木洩れ日に白色の小花が集まった大きな複散形の花が浮き立ち
発見した喜び。

オクモミジハグマ

ハグマ(白熊)とは槍や兜につける
ヤクの尾の毛で出来た白い飾りを言います。

オクは山奥のこと。

モミジは葉の形で「奥紅葉白熊」になります。


細い毛を束ねたような白い小花がなかなか華やかです。

当地ではカシワバハグマも多く見られます。


撮影
「イヌタデ(アカマンマ)」    2019.10.7 岳2丁目にて
「シラネセンキュウ(スズカゼリ)」 2019.10.6 志津橋付近にて
 「オクノモミジハグマ」       2019.10.6 岳温泉4丁目にて

2019.10.10



秋を行くⅠ

天高く白い雲が
ゆったりと流れています。

風が冷たく感じられるようになり、
はらはらと舞う落葉が寂寥を誘います。

野菊


キク科は高等植物のうちでは
もっとも種が多く
身近なものでも
ヒマワリ、コスモス、タンポポ、アザミなど、
2万種以上あり、
また最も進化した植物と言われます。


秋の菊は風情がありますね。

野菊は野に咲く菊といった一般名、
そこかしこ散歩の目に
否応なしに飛び込んできます。


映画「野菊の如き君なりき」(木下惠介監督)を思い出したりして
物思いを。


菊は日本文化と切り離せないほど
日本人に愛でられます。

この10月1日から
二本松市が誇る二本松菊人形展が開催されています。
1株に1314個の大輪菊(ギネスブックに登録された)の
千輪仕立てなど見事です。

耳学問ですが、
園芸種は野生菊を滅ぼすとの警告もあります。
交雑が進むためです。

上の写真はリュウノウギクと思われますが・・?



「山には山の愁いあり 海には海の悲しみや
ましてこころの花園に 咲きしあざみの花ならば・・・」

往年、大ヒットした「あざみの歌」、
絶唱した伊藤久男さんは隣町、
今は本宮市の旧家に生まれました。

諺に「薊の花もひと盛り」と言われるが、
なかなか美しく、詩情もあります。

上の写真はキク科アザミ属、
ノハラアザミ。

ヤマジノホトトギス

 


ホトトギスとは奇妙に思われますが、
花の白地に赤紫色の斑点が
ホトトギスの胸にある斑点に似ているところから
名付けられました。

花の形も特徴があり、
変わっていると言っても過言ではないくらい。
同花受粉を避けるための機能だそうです。
遺伝子の問題!

ホトトギスという名前と
巧妙な形態の花を一度見たら、
決して忘れられませんね。

山路に普通にみられるので
ヤマジホトトギス、

斑点がない白花は変種ですが、
これも素敵です。

わが家にやって来たルーツは不明ですが、
木陰に勢力を伸ばしています。

撮影:「野菊」 2019.9.27 湯の森公園にて
   「薊」  2019.9.27 湯の森公園にて
「ヤマジノホトトギス」 2019.9.28 自宅にて       

2019.10.4



花の名前 Ⅱ

花の名前にはヘクソカズラのように
気の毒な名前のものもありますが、
大方はユニークで一理あり、
ユーモラスだったり、
先人の観察眼の確かさに
感心させられます。


トリカブト 鳥兜


花の形が舞楽の時にかぶる冠・鳥兜に似ているところからつきました。

多くの種類がありますが、
山の中でも青紫色の花が目立ちます。

ヤマトリカブトと思われます。

猛毒植物で要注意です。


ツリフネソウ 釣船草


花の形が船を吊り下げたように見えるところから名付けられました。

公園内の小川の辺に毎年、群生し、
紅紫色の花が楽しみです。

1年草と言われますが。・・・?


ゲンノショウコ 現の証拠



薬草で腹痛や下痢にすぐ効くことから現の証拠の名が。

白、ピンク、紅紫色のものがあります。

民間薬ですが、医薬品としても使用されます。

撮影:2019.9.7 自宅 湯の森公園にて

2019.9.7



花の名前 Ⅰ

秋風が涼しく感じられるようになり
散歩が楽しくなりました。

たくさんの花々に目が奪われますが、
その名前となると浅学の悲しさ、
分からないものが多いです。

名前が分かればもっと楽しく、
もっと親しく感じられるだろうと考えながら歩きます。


ミズヒキ 水引


細長い枝に真紅の小花を連ねます。

お祝いの贈り物にかける水引に似ていますので、
名付けられました。

10数年前にいただいた1株が庭中に広がりました。


キンシバイ 金糸梅


中国原産

ビヨウヤナギ
未央柳と同類異種、
江戸時代に渡来しました。

近年、園芸花種として改良され、
花壇や生垣に植えられます。

黄色の大きな花が見事で、
梅花に似るので名があります。


オトギリソウ 弟切草


薬用植物

鷹匠の兄が秘密にしていた鷹の傷薬を
弟が他人に漏らしたことを怒り、
斬殺したという平安時代の伝説から名付けられました。

花や葉に黒い点や線があります。


ボタンズルとヘクソカズラ


ボタンズルを撮影したら、
偶然ヘクソカズラも写りました。

ボタンズル
牡丹蔓は木質のつる性植物、
葉の様子から名付けられました。

花はセンニンソウ 仙人草と似ています。


ヘクソカズラ
屁糞葛は花や葉が嫌な臭いがするのでついた名前です。

花の中心部が赤色で可愛らしく
早乙女花の名もあります。

万葉集に「くそかづら」として1首詠まれています。

撮影:2019.9.2 自宅近辺

2019.9.3



アレチマツヨイグサ


夕方から夕闇がせまる夜(宵)に開花し、
翌朝明るくなると花が萎むので、
和名待宵草や月見草(*1)と呼ばれます。

いくつかの種属がありますが、
いずれも北アメリカ原産で、
明治の始めから後期に輸入され帰化しました。


太宰治「富岳百景」や竹久夢二作詞「宵待草」のモデルは
オオマツヨイグサであろうとされています。

しかし、この辺りでは黄色の大きな花、
直径8センチほどになる
オオマツヨイグサは見られません。

昔は、確かではありません、
見たような気がしますが。
メマツヨイグサ(*2)やアレチマツヨイグサとの生存競争に
敗れたものと思います。


一方、荒れ地や空き地に最も多く見られるのはアレチマツヨイグサ、
直立した1-1.5メートルの立ち姿に目がうばわれますが、
日中の散歩時には大抵、花が萎みうな垂れていますので、
心底から素晴らしいと申せません。


この開花時刻の謎が単なる明暗によるものでないと、
ある小学生が実験し発見、
自然科学コンクールに報告したそうです。
素晴らしい。

滝本敦氏の研究によれば、
植物の生物時計が関係し、
夏の季節は日没前に開花可能な時刻に達し、
周りが薄暗くなるのを待って開花する。

待宵草とは良く言ったものですね。


掲載の写真は辺りが暗くなってから、
盆踊りのお囃子を聴きながら恐々急な草道を下り、
フラッシュ撮影しました。

全開したアレチマツヨイグサの花が偶然写り、
これは素敵です。

撮影:2019.8.24 PM7:30

注)*1 ツキミソウは別種、花は純白です(牧野図鑑)
  *2 メマツヨイグサとアレチマツヨイグサの区別は難しいですが、
   アレチマツヨイグサの花弁の間にはすき間があります

2019.8.29



ウバユリ


ウバユリが咲き始めました。

艶やかな山百合に比べると素朴そのものですが、
わが家の古い仲間、自慢の種の植物です。

今年も敷地内に20本ほど数えました。


『色褪せたドクダミの中から背丈が2メートル近く、
巨大と言ってもよいほど逞しく太い茎の先端に15センチもある。
花を10数個、横向きに咲かせています。
花の色は茎と同じ緑白色で目立たないが、
その個性的な姿はまさに堂々として、
訪れる人に「これは何者」と驚かれます。

ウバユリは九州、四国、本州、北海道の日本全国に分布し、
落葉広葉樹林の林床に生息する、
決して珍しくない多年草ですが、
あんがい知らない人が多く、
しかもユリ愛好者の評判も芳しくないようです。

3年前、前の林から我が家にやってきました。
引っ越しといっても
ウバユリは実生から開花まで6-8年かかると言われますから、
その経過は謎めいています。 
玄関の目と鼻先ですから、
その成長を毎日観察し新しい発見にびっくり、
夜になると色めいた美しさが、
そしてなんと芳香を発し
深夜には玄関先に甘酸っぱい香りが漂います。 

ウバユリの名は
花が咲く時期には葉(歯)が枯れ落ちるから
「姥」に見立てたとされますが、
私には「姥」などではなく公爵夫人の気品が感じられます。』
(平成16年二本松音楽協会会報から抜粋)


記載はウバユリの変種と言われる
「オオウバユリ」ですが、
玄関横目前に突如発芽し、
逞しく成長し、
開花した雄姿に感嘆した様子が窺われます。

数年間は最大27個の花が咲き、まさに壮観でした。
現在は花の数は1、2個から10個、
一面の群生が見られなくなりました。

ウバユリの素晴らしさをもう一度、声高に。

花は6-8年の生涯に、ただ一度しか咲かない。
花をつけたウバユリは結実し、
その直後に枯死してしまいます。
典型的な1回繁殖型、
6-8年間に貯め込んだエネルギーのすべてを使い、
大きな花を咲かせ、
たくさんの種子を残します。
しかし、何百、何千の子孫の運命や如何か。

ご存知の方も多いと思いますが、
二本松市名誉市民・文化勲章に輝いた大山忠作先生の作品に
「花(姥百合)」があります。
画家の目を通した生きたウバユリに感動します。

 撮影1:2019.8.4.自宅
 撮影2:2005.8.2.自宅

2019.8.4




ネジバナ(モジズリ)


 昨日、散歩の途中でネジバナの群生を見つけました。

ラン科の植物は普通、
野や山の中ではなかなか見つけられないのですが、
ネジバナは草地や芝生に身近に生え、
ランらしくないランと言えます。
 
群落の近くのあちらこちらにも見られ、
20メートルほどの遊歩道には
花を避けて歩いた踏み跡が続いていました。

 細長い葉の中心から20-40センチの穂状の花序を伸ばし、
淡紅色の小花が螺旋状に咲きあがる様子は
実に可憐そのものです。
花序には右巻きと左巻きのものが両方見られます。
 
「ネジバナ」の名はこのねじれた花序からついたものです。
別名「モジズリ」は「シノブモジズリ」の語によります。

モジズリ(文知摺)は信夫地方(現福島市)に古くからある染色技法、
草や木の汁で乱れた菱型文様に染めた絹織物です。


「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに 
乱れそめにし われならなくに」
(河原左大臣)
[忍ぶ恋]の代表作

小倉百人一首に選ばれています。

撮影:2018.7.28 鏡ケ池遊歩道にて

2019.7.29



オカトラノオ(岡虎の尾)


白い花穂が垂れ下がり
『虎の尾』に似ているから名付けられました。

山地や原野の日当たりがいい場所に生えます。


十数年も前になるかと思いますが、
安達太良山頂上から峰の辻、
勢至平から奥岳登山道を下り、
烏川を渡り、
スキー場に至る少し手前の開けた草原で、
直立した円柱形の100センチもある茎の頂に
20センチもある花穂をゆったりと垂れた
「トラノオ」を見つけました。

獰猛さは全くなく、
むしろ優しげでしたが、
これぞ野生かと魅了されました。


わが家にもやってきました。
2年前から駐車場前の林縁に移り、
小さな集団を作りました。

今年は日照不足で逞しさが全くありません。


写真を撮っていたら、
小さな白い蝶がやってきました。

撮影:2019.7.13 駐車場前林縁にて

2019.7.16



ワスレグサ(ヤブカンゾウ)


何年前だったか、
梅雨明けが待たれる頃
駐車場の土手に橙赤色の鮮やかな花を見つけました。

図鑑を調べ、
ワスレグサ(ヤブカンゾウ)と初めて知りました。

それ以後、土手の除草は開花を待って行うようにしましたところ、
一昨年には土手全面に群生し
開花を競い、壮観でした。

花は黄色から橙赤色で、
雄しべの全部または一部が花びらのようになり、
八重咲きになるのが特徴です。
多くは一日花です。

ワスレグサは中国が原産で
有史以前に日本に帰化しました。

遺伝子染色体が3倍体で不稔性、
果実を作ることが出来ません。
どうやって繁殖するのか、
ランナー(匍匐茎)を出し発芽します。
人の手や災害などの移動がなければ、
繁殖は地道な一歩、一歩です。

中国から稲や麦などの農耕種とともに
海を渡りやってきたと考えられますが、
縄文時代、弥生時代なのか。

やがて時が下り、
万葉集に4首詠われています。

「萱草(わすれぐさ) わが紐に付く 香久山の
古りにし 里を忘れぬがため」
(3・三三四)

意訳は萱草を下紐に付けました。
香久山の聳えるふるさと明日香をいっそのこと忘れようと思って。
(万葉集 新潮古典集成による)

中国では昔、
この花を見ると「憂い」が忘れられるという民俗思想があり、
萱草ワスレグサと名付けられました。
その漢名の意訳がカンゾウ、
藪に生えるからヤブカンゾウと
今、呼ばれます。

さて、古代中国からはるばる現代のわが家にたどり着くまで
どんなドラマを見てきたものか。

なお、漢方薬としてよく処方されるカンゾウは「甘草」と書き、
マメ科の植物で別種だそうです。

撮影:2019.7.13. 自宅にて

2019.7.14



ナツツバキ


直径5センチほどの白色の花、
夏に椿の花のように咲くから夏椿と呼ばれます。

清楚で美しく、
気品に満ち、
シャラノキ(沙羅樹)、
シャラソウジュ(沙羅双樹)とも呼ばれ、
「平家物語」の「祇園精舎の鐘の声、…沙羅双樹の花の色…」の憂いあり。

しかし、釈迦が入滅に際し、
白変したとされるインド シャラノキとは異なり、
誤認されたものと言われます。
(牧野図鑑による)


樹皮が滑らかで外面表皮が薄く剥がれ、
灰白色、帯紅色の肌が美しく、
単幹、双幹、株立ちの樹形も好まれ、
よく公園や茶室の庭に植樹されます。


当院では隣家との狭い空間を占め、
成長が早く、
樹高が7-8メートルに、
今年は見事に咲きました。


・・・思い出します・・・

山野を駆けるのが大好きなダルメシアン
今は亡き、愛犬のヴィクでした。

兎を追い、牧草地を全力疾走しては遊び疲れ、
トボトボ下る山道に
ひと際目立つナツツバキの白い花。
(30年以上前になるかしら、若かった、いつも一緒でした)


何年か前に右側の大枝を風で失いましたが、
今も数えきれないほどの花と蕾をつけています。

深堀川の急斜面に立つ
この辺り一番の大木です。

撮影:画像1 2019.7.03    中庭にて
   画像2 2019.6.28 0宅前山林にて

2019.7.4



スイカズラ


スイカズラはつる性植物で山野に自生し
珍しい花ではありません。

夏が近づき梅雨に入る今頃、
毎年開花が楽しめます。

花中の蜜に芳香があり、
近づくとほのかにいい匂いが漂ってきます。

子供がこの甘い蜜を吸うから「スイカズラ」
吸う時の唇の形に似ているのでとも。
(牧野図鑑)


花は必ず2個が対になって咲き、
上弁の先が浅く4裂し、
下弁が細く下方に反り返り、
まるで踊っているような様子が見事で美しい。

蕾は淡紅色、開花すると白く、後に黄色になります、
そこで金銀花とも呼ばれます。

半常緑なのでよく厳しい冬に耐えるとして、
忍冬(にんどう)と俳句などでは詠われます。


日本では栽培されることはないようですが、
欧米では珍重され、
観賞用に植えられているそうです。

しかし、それが野生化し畠を荒らし、
木々に巻き付き枯死させるので、
「ジャパニーズ・ハニー・サックル」と嫌われ者扱いされることも。

しかし、英名ハニーサックル(蜜の如き乳を吸う)の名は
実に当を得て素晴らしいですね。

写真はお隣の土手ですが、
「ヤマウコギ」の花との競演です。

撮影:2019.6.6. 隣家の土手

2019.6.15



エゴノキ


枝一杯に純白の花をたくさん咲かせるエゴノキは
「良く咲いたね」と声を上げたくなるほど見事です。

近づくと、甘くいい香りが漂ってきます。

当地では「ジシャ」と呼ばれます。

万葉集に「咲ける盛に愛(は)しきよし」・・と
詠まれている(松川修「万葉の植物による」)
「知佐(ちさ)」から「ジシャ」と濁ったものかと思います。
「ずうずう弁」特有の響きがあります。


満開になったエゴの花の散り際がお見事です。
山道を真っ白に埋めつくし、
踏み越えるのをためらうほどです。

「咲く」が良し、
しかも「散る」も良しです。

毎年楽しみにしている花です。

8-9月、径1センチの円形果実が熟します。
この果皮が喉を刺激してえごいので
「エゴノキ」とよばれるそうです(牧野)。
エゴサボニンという有毒成分を含んでいます。

撮影:2019.6.1. 岳温泉湯小屋にて

2019.6.4



ニセアカシア(ハリエンジュ)


東雲堂クリニック駐車場に甘い芳香が漂っています。
この暑さでニセアカシア(ハリエンジュ)が急に咲き始めました。

この木は明治10年ごろ日本に入り、
庭園や街路樹に植えられ、
また各地で野生化しました。
北海道公園など見事なアカシア並木に驚かれた方も多いと思います。
日本では一般にアカシアと呼ばれていますが、

実は・・・

本物のアカシアはオーストラリア原産、
熱帯地方に多く、寒さに弱い。
また、枝に鋭いトゲがあり、
ハリエンジュ(針槐樹)と呼ばれ、
これが日本では正式な名称のようですが、
エンジュともアカシアとも
まったく異なる植物だそうです。
やや、ややっこしいですが、
本種はアメリカ東部原産の「ニセアカシア」。
発芽力は強く、ところかまわず生着し、
成長力が強いので大木になります。

当院の木も10年ほど前、
どこかから飛んできてあっという間に成長しました。
一昨年秋に強く剪定したので、
昨年はまったく花が咲きませんでしたが、
今年はいつもの半分ほど花をつけ安堵しました。

大きな白い総状花序は天ぷらが珍味だそうです。
また、養蜂家にとっては重要な蜜源となり、
アカシア蜂蜜と呼ばれます。

成長が早く、やたらにはびこる性質が厄介者扱いされることも。
しかし私はその逞しさが好きです。

撮影:2019.5.25. クリニック駐車場にて

2019.5.27



ホオノキ(朴の木)―T女史のオマージュ


ホオノキは成長が極めて速く大木になり、
大木にふさわしい大きな葉と
大きく見事な花をつけます。

普通にみられる花ですが、
高い木のてっぺんに咲くので、
気付く人が少ないようです。

岳ダムの湖面が見え隠れするニコニコ橋上は絶好のポイント、
毎年楽しみにしております。
対岸の山藤も見頃でした。


田中牧場のT女史を思い出します。

ある日、朴の花が咲いたから見に来いとT女史から電話が・・・。
広大な丘に30メートルのホオノキが
緑なす安達太良山を背に直立し、
まさに王者の貫禄。
見に行けない年は大きな花をつけた1メートルの枝が届き、
甘酸っぱい、強烈な芳香が家中に溢れました。

戦後、原野から牧草地を耕し、
FMクラシックを聴きながら乳を搾る、
誇り高き旧磐女卒業で、
自然と酪農の喜びを歌い、
モーツァルトを愛したT女史。

昭和63年11月、
「二本松みんなで第九を歌う会」演奏会、
渡部勝彦指揮山形交響楽団、
ソリストは二期会会員。
T女史78歳を筆頭に
中学生までの120余名が「歓喜の歌」を歌い、
感動を共にしましたことが。

臨終には「二重協奏曲K.299」をと遺言、
頑固者だから必ずと。

臨終の知らせを受けCDを持って駆けつけました。
安らかなお顔。

養子夫妻の好意で通夜、葬儀中、
モーツァルトが響きました。

T女史、明治43年生まれ、
98歳、天寿を全うしました。 

撮影:2019.5.18. ニコニコ橋より

2019.5.22



ウワミズザクラ


木々が日ごとに緑を深める頃
ウワミズザクラが咲きます。

楚々として目立ちませんが知る人ぞ知る、
「今年はよく咲きましたね」、
「花が大きくて見事ですね」などの
会話が弾みます。

この辺りに多く自生し、
10-20メートルの高木になります。

花は白色の総状花序、
穂状で長さ10-20センチ、幅2-3センチあります。

古名「ハハカ」(波波迦)は
古事記神話篇其の二(三浦佑之訳口語訳古事記による)に登場します。

戦時中でしたが、この有名な神話を小学校で習った鮮明な記憶が・・・

天岩戸前で神々の優麗なドラマが展開されます。
その時行われた太占(ふとまに)は雄鹿の肩甲骨を抜き取り、
裏側に溝をつけ天の香久山のウワミズザクラを燃やし、
そのひび割れで占う。
「占(裏)溝桜」とよばれるようになり、
それが転じたのが現在の和名説、
説得力があります。
(朝日新聞刊植物の世界5-123)

8月ごろ、高木を飾る赤紅色の果実は見応えがあります。

黒紫色に熟すと甘くなり、
さくら味、クマリン芳香の強い
美しい紅色の果実酒が出来ます。

撮影:2019.5.11. 自宅前にて

2019.5.14



地蔵坂のお地蔵さん


うしろで
優雅な、低い話し声がする。

ふりかえると人はいなくて
温和な石仏が三体

ふっと
口をつぐんでしまわれた。

秋が余りに静かなので
石仏であることをお忘れになって
お話などをなさったらしい。
(以下略)

石仏―晩秋 吉野弘「花と木のうた」より


保育所の前から急峻な地蔵坂を登り切ると、
三体のお地蔵さんが新緑の木漏れ日の中に並んでいます。

二体には顔がなく、
一番小さな一体だけに顔があります。

目の前でお父さん、お母さんが斬首されたのと言っています。

どんなに怖かったでしょうに
静かなやさしい声。

さらに山奥の奥岳地蔵尊、勢至平地蔵尊、岳小関周辺でも、
お地蔵さんの首切りが。

どうして、誰が、こんな山奥で。

慶応4年3月、明治新政府による「神仏分離令」などの法令が
矢継ぎ早に布告され、
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の
暴挙が行われました。

道端でみんなのために祈ってくださったのに。

誰も語ろうとしない明治維新の深い闇の証人。

撮影:2019.5.4 地蔵坂にて

2019.5.10



ウグイスカグラとモミジイチゴ(キイチゴ)


「今年はキイチゴの白い花が良く咲いたね」と言いながら、
傍らに特徴のある花を見つけました。

ウグイスカグラです。

高さ1-2メートルの細い枝から淡紅色のやや曲がった漏斗形、
花筒部が細長く2センチぐらいの花の形が実にユニークです。

ウグイスが鳴くころ咲くのでウグイスカグラ、
カグラは花の形を神楽の舞に見立ててこう呼ぶと。

花の形、名前は一度見聞きしたら忘れられませんが、
林の中から自力で発見できるかどうか。
私は春の山歩き中、山仲間から得意げに教えてもらいました。

なお液果は6月に鮮紅色に熟し、
甘く食べられます。


モミジイチゴは普通に山野に生え、
開けた林縁などでは群落してヤブとなり、
全身棘で武装した木が足にまとわりつき実に歩きにくい。

葉がモミジに似るのでこの名が、
日本名 木苺、黄苺もその特質を表しています。

生活史が特異で、
「木」であるのに地上茎の寿命が1年数か月と短く、
絶えず地上部の交代を行います。

多年生草本類に似た生活環で
「木と草の中間植物」と言われます。

枝に3センチの清楚な白い花の連なる姿が素敵ですが、
なんと言っても7月初め黄橙色に熟した果実が甘く美味しい。

棘が多いので恐る恐る掌を実の下に添えると、
待っていたとばかり、
実のほうから容易に落ちてくる感触がまた実に素晴らしいです。

撮影:2019.4.29 湯の森公園の裏山林縁にて

2019.5.2



キクサキイチゲ(キクザキイチリンソウ)


日課の福太郎(愛犬)散歩です。

深堀部落からの急な山道で白い花を見つけました。

咲き始めたばかりか下向きのイチリンソウ、
翌日も早朝のためかまだ俯いていました。

そして、気持ちよく晴れた午前11時、
3度目の正直、
長楕円形の花弁状のがく片が全平開、
菊の花に見立てキクザキイチゲ(キクザキイチリンソウ)と呼ばれます。

淡紫色の花が多いが、白色が清楚でとても美しい。

近くの林床にはめいっぱいに反りかえった美しいカタクリが、
かつての銀輪の女王の優美な姿を思い出させます。


これらの早春植物は木々の葉や草が茂る前の、
わずか1-2か月の間に1年の生活エネルギーを蓄え、
地上部が枯れ、生活を終えます。

スプリング・エフェメラル(春のはかない命)と言われますが、
一方で自然の逞しさが感じられます。


撮影:2019.4.22 深堀部落の山道にて

2019.4.25



タネツケバナ


しばらくお休みしていた散策をはじめ、
足元のそよ風に揺れる小さな草花に感嘆しました。

紫色の茎の天辺に白い十字の小花をつけたタネツケバナ、
愛らしく道化たようなヒメオドリコソウ、
ブルーの宝石を撒き散らしているイヌノフグリ、
葉陰に隠れた純白の小さなコハコベ。

そして辺りにはそっと顔を出したツクシ、
ラッパ水仙が咲き競っています。

ひそひそ語り合いか、歌っているのか、
春を奏でているのでしょう―通奏低音と変奏。

本題のタネツケバナ(種漬花)は苗代を作る前に
米の「種もみ」を水に漬ける頃咲くところからつけられましたが、
水田や道端など日本中、普通に見られるコスモポリタンな雑草です。


撮影:2019.4.14  自宅近くの空き地にて

2019.4.17


スノードロップ


むき出しの寒々としたほの暗い、
そして
ライバルの花が一つとして咲かない場所に、
  美しい宝石の花が開く。
   メアリ・ロビンソン(L・ディーズ「花精伝説」より)

 わが庭で春一番に咲く純白の花、
スノードロップ。

今年の10月に目出度く百歳になる患者さんのFさんから頂いた1株が
大きい株となり、また株数も増えた。
20年も前のことだったが、名前は知らないと...

例年だとまだ風が冷たく、
雪が残る寒々とした庭は滅多に歩かず、
また、雪よりも白い花の異国的な雰囲気から園芸種と考え、
それ以上の検索を怠っていた。

ところが調べてみて驚いた。
ヨーロッパでは特別な花だと知った。

宗教とのかかわりが深く、
たくさんの神話や伝説、詩に登場する。

スノードロップ(英名)は「雪の雫」、
または「雪の耳飾り」の意である。

花言葉も多く、
イギリスでは「希望」、「慰め」、「まさかの時の友情」、
フランスではさらに「恋の最初のまなざし」、「楽しい予告」など。

撮影:2019.3.5 庭にて

2019.3.5



オオイヌノフグリ


 冷たかった風が止み、
気持ちがいい早朝散歩、
青空に浮かんだように白銀の安達太良山連峰が輝いていました。

そして気温が上昇した11時過ぎ、
狙い通り、オオイヌノフグリの全開です。

それは近くの旧深堀温泉跡地のほぼ真南面の急な土手、
直射日光に温まり青空に染まり、
瑠璃色というのか、
コバルトブルーというのか、
少し無機的なラピスラズリか。

オオイヌノフグリは2年草で秋芽生えが厳しい冬に耐えに耐え、
明るい陽光に目を覚まし、
いち早く春を告げます。

毎年日本中で春の風景として親しまれ、
私もそうですが、
ドキドキしながらオオイヌノフグリの開花を待つ人が多いでしょう。

また、実は西アジア原産、ヨーロッパかアメリカ経由で
日本へ侵入帰化した植物と聞いて驚く人も多いでしょう。。

イヌノフグリとは「犬の陰嚢」のこと、
実の形と細毛の生え具合が名のいわれで、
犬の局所をとくと観察し、
似ているぞとひざをうった人がいたそうです。 

撮影:20192.24 深堀部落

2019.2.26



ヤドリギ ーその3ー


このヤドリギの写真は街でもよく見るけれど、
木の病気の天狗巣病と思っていたと言われ、
間違ったかと急に心配になりました。

はるか頭上の梢に望遠レンズの焦点を合わせ凝視したら、
眩暈しました。

両足を一杯に踏ん張り下を見ると、
房状に4,5個連なったほんの5,6㎜の果実を発見。
もちもち、ぷりぷり、
まるで小ゴム球、
ヤドリギに間違いなしと確信しました。

 麓次郎著「季節の花事典」(八坂書房)は
ヤドリギについて大変詳しいです。
 万葉の昔から祝いの木として知られていると、
大友家持の一首を紹介しています。

 「あしびきの山の木末(こぬれ)の寄生(ほよ)取りて
挿頭(かざ)しつらくは千年寿(は)ぐとぞ」
(注:ほよはヤドリギの古名)

 日本古典にみられるヤドリギについて
「枕草子」、「源氏物語」を紹介。
「根無し草」、「他木に寄って生きる頼りなさ」を表しているそうです。

 一方、ヨーロッパでは小木、
かつ地に根がないのに冬でも常緑、
大木を自分の奴隷として栄養分を供給させている。

つまり、「弱者よく強者を制する」この神秘力が崇拝されており、
ヤドリギの花言葉は「征服」、「堅忍不抜」、「困難に打ち勝つ」。

 日本人と西洋人のものの考えた方の相違をよく表していますね。

撮影:2019.2.5 ヤドリギ果実

2019.2.11



ヤドリギ -その2-


ヤドリギは常緑で半寄生のれっきとした灌木(低木)です。
 
南日本ではエノキに、
北日本ではミズナラに寄生する場合が多いが、
サクラやブナにも寄生します(堀田満による)。

寄生すると栄養の大部分や場所を宿主に依存しますが、
半寄生とは水分と栄養素は依存するけれど、
光合成能力は持つものです。
それぞれの種として生存や繁殖に都合よいように進化したものと考えられます。

ヤドリギの実を食べた野鳥がフンをしてフンに混じった種
(粘着力が強いビシンという物質に覆われている)が
枝にとりつき発芽することから始まります。

成長すると団塊状の、
写真のように大小さまざまな腫瘤状の株を形成します。

私には職業柄、異様な光景(がん転移)に見えるので心配です。
個人的な感想は別としても、
ヤドリギが寄生した枝先は樹勢が弱り、
枯れているように見えます。

須賀紀一氏(二本松市文化財保護審議会会長)によれば、
安達太良山麓、岳温泉周辺のミズナラとコナラの混交林は
たいへん珍しく貴重だとのことです。
大切にしたいと思います。

2019.1.19 旧S邸にて 望遠レンズ使用   
黄色の実がたくさん連なっております

2019.1.21



ヤドリギ -その1-


冬の風物詩というべき、
天空を刺す孤影悄然たる楢(ナラ)の冬木立に近頃、
気になる光景を発見します。

ヤドリギです。
 
幹や枝の中、はじめは蜘蛛の巣や鳥の巣のようにぼんやりしていますが、
年々大きくなり大小の丸い腫瘤をつくり、
すごく気になるのです。

ヤドリギ(宿り木)は寄生植物です。

西洋では神聖な植物とされ、
特にオークに宿るものはもっとも珍重されました。
クリスマスや正月に飾り、
その下で恋人がキスすると「いいこと」があるのだそうです。

ところで、オークはどんな木?

名著「野生の樹木園」(マーリオ・リゴーニ・ステルン著)によりますと、
ブナ科コナラ属、種類に富み300種ほどを数え、
いずれの種も頑丈で抵抗性に富み、
なかには高さが40から50メートル、
幹まわりが8から10メートルに達します。

古くケルト族やギリシャ神話、
偉大な芸術作品(詩、絵画、文芸)を飾り、
その特性と荘厳さゆえにつねに人々から崇拝されました。
「オークの森はかくも神聖なものであり、
ためにカエサル(ローマ皇帝)の兵士でさえ、
これを伐るのを怯んだ。」

洋の東西を問わず、鎮守の森に神宿る「神木」物語で素晴らしい。

2019.1.13 旧S邸にて 

2019.1.21



ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)-その2-


生まれは(原産地)ヒマラヤ北西部からアフガニスタン東部、
日本には明治初期に渡来した。

名前は杉だが松の仲間、
庭や公園に広く移植された。

成長が早く30メートルに達するが、
成熟には30年の月日がかかる。

10月中旬、花粉を辺り一面にまき散らし、まるで黄色の吹雪。
天辺にある雌花が受粉、球果をつくる。

成熟には1年以上かかるが、これが松ぼっくり、
「シダーローズ」になるそうだ。

2018.12. 8撮影 屋上から


付記:文明の脅威
レバノン杉―悲しい物語

 ヒマラヤスギの近い仲間だが、
分布域が異なりシリアを中心と地中海東部沿岸。
 ここに古代文明が次々と生まれ栄えた。
 古くから建築用材として、古代エジプトの神殿に、
また、ローマ軍の船となり地中海を駆けめぐり。
乱伐と醜い争い。
文明がレバノン杉を殺した。

2018.12.19




ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)-その1-

 

兄からもらったヒマラヤスギの若木、
昭和49年12月開院した翌年、
ブルで掘り起こされた荒れ地に移植した。

10本のシラカバで囲むようにしたら、
区画だけの庭は土色の空白だらけ。

これあげるよ、きれいな花が咲くよ、
この栗、5年もしたらなるぞ、
善意に甘え手当たり植えた。

空白がなくなり緑で染まった。
・・・
友人が言った、「まるで森の中みたい」

別荘のおばばさんが言った、「まるでお化け屋敷」
・・・

そして43年間、風雪に耐えた
ヒマラヤスギは堂々と逞しくなった。

2018.12. 9撮影 自宅前にて

2018.12.17

 


ウワミズザクラ


秋たけなわになりテレビに紅葉情報が報じられると、
朝夕、車のラッシュが続きます。
紅葉の名所として名高い安達太良山の山懐に住んでいる宿命みたいなものですが。
 
快晴となった昨日の朝、
わが家の玄関、勉強部屋、北側の寝室の窓がほんのりとピンクに染まりました。
駐車場前林の紅葉したウワミズザクラの照り返しでした。

ウワミズザクラはこの辺りに多い高木ですが、
いち早く色づいて秋の深まりを伝えてくれます。
少し濃いピンク色が明るく落ち着いた優しさがあります。
 大好きです。

実はウワミズザクラは春の花が素敵なのです。
お花見に賑わった桜(ソメイヨシノ)がすっかり散り、
木々が日ごとに緑を深める中に白い小さな花が総状に咲きます。
 明るい日中は目立ちませんが、
日が陰り夕暮れが迫るころ白い花穂が点々と浮かび、
まるで妖精が踊るようで幻想的です。

また、夏の終わりごろ、果実が濃いオレンジ色に輝きます。
そして熟すと最高の果樹酒となります。

古代、このウワミズザクラ(古名「波波迦」)を燃やして「占い」をしました。
古事記の神話です。

美しく、興味が尽きない木々に囲まれて幸せです。

2018.10.26撮影 自宅前の林

2018.10.27


マユミ(1)



マユミは昔この材で弓を作ったことにより、
強靭な弓、真弓と名付けられました。

そして安達太良真弓が、わが国最古の歌集「万葉集」の中に詠われ、
今風に言えば、「いいね」とフォローされたのでしょうか、
歌枕として多くの和歌に詠まれるようになりました。
奈良・平安時代のことです。

辺鄙な東北地方から都への情報発信の機会はごくごく限られたものでしたから、
そのインパクトが大きかったものと想像されます。

万葉集にはその1 
「陸奥(みちのく)の安達太良真弓弦(つる)箸(は)けて
引かばか人の我を言(こと)成さむ」
(巻7・1329)

その2
「陸奥(みちのく)の安達太良真弓弾(はじ)き置きて
反(せ)らしめ来(き)なば弦(つる)箸(は)かめかも」
(巻14・3437)

もう1首、安達太良山に関する歌があります。

その3
「安達太良の嶺(ね)に伏す 鹿猪(しし)のありつつも
吾(われ)至らむ寝処(ねど)な去りそね」
(巻14・3428) 

万葉集には東北地方を詠んだ歌が8首ありますが、
その中の3首がなんと上記の安達太良山の歌でした。

毎年、花と実をたくさんつけますが、今年は少ないようです。

2018.9.20撮影 鏡ヶ池畔にて(背景は安達太良山)

2018.10.16


マユミ(2)

マユミの花と実


マユミは初夏に緑白色の小さな花を多数つけ、
晩秋には鮮紅色の果実が熟し眩しいほどになります。

しかし、万葉集の安達太良真弓は植物そのものを詠んだものでなく
強い弓の比喩として、引く、心をとらえると解釈されています。

「安達太良真弓」について、
高橋富雄氏(元東北大教授)のユニークなご高説を紹介します。

その1は
「安達太良真弓の弓取りとして名の知られたわしだ。
弓に弦を張って射たならば百発百中、
弓に矢を構えただけで、もう勝負あったと人は言うだろう」
その心は
「この名手のおれがこれと見定めて、お前と決めたのであるぞ。
四の五は言わせん、みんなもう決まったと言うだろうよ」

一方、その2は
「いくら名手名人でも、平素の手入れを怠って弓を外してしまったならば、
いざという時、弦を張ろうとしても弓はしなりませんよ」
その心は
「恋人である、愛しているとおっしゃっても口先ばかり、
平素ちっとも構って下さらないで、急にそう言い寄られてもこちらはその気になれませんことよ」
 
二人は相思相愛の仲。
まことにリアルで感動的です。
ここに「安達太良真弓士」の雄姿と万葉ロマンが華々しく登場したのです。

画像は院長 Libraryより 自宅庭と近所のY氏宅にて

2018.10.16


アキノキリンソウ



湯の森公園でアキノキリンソウを見つけました。

登山道などではよく見ますが、
この辺では少ないので、開花を毎年心待ちにしております。

 花は秋に咲く黄金色の代表の一つ。
清楚でふくよか、優しい感じが素敵です。

大きな木陰や植え込みの縁に10本も見つけました。



 湯の森公園は温泉神社境内にあります。

樹高10メートルを超すスギ、アカマツ、コナラの木立の中の小さな公園です。
 
自然が残っていますので、チゴユリ、ギンラン、トラノオなど
野生の花や眩いほどの新緑が自慢ですが、訪れる人は少ない。

2018.9.26撮影 湯の森公園にて

2018. 9.26


ヤマハギ(ハギ 芽木 萩)

 

緑ヶ池周遊道の北側急斜面に数十株の萩が咲いています。
紅紫色の花が枝垂れる姿が美しいです。

 古くから日本人は萩を愛でてきました。

万葉集に141首、集中で花としては1番多く詠まれています。
「秋風は涼しくなりぬ馬並めていざ野に行かな萩が花見に」(10.二一〇三)と
萩の花見に出かけました。
(松田修著万葉の植物から)

 ハギにはいくつかの種類があり、自生する多くはヤマハギです。

「萩」は日本字で、草冠に秋と書いてハギと読みます。
山道で萩を見ると、もう秋かと感傷的になりますね。



 緑ヶ丘からは安達太良山を中心に連なる十連峰のパノラマが楽しめます。
穏やかな懐かしさがあります。
地元では安達太良山を「乳首山」と呼びます。

2018.9.19撮影 緑ヶ池周遊道にて

2018. 9.20


 

ウドとヨウシュヤマゴボウ

何処からともなくやって来て堂々と居座り、
花を咲かせる野草たちはわが家の楽しい客人です。



 成長が早く、大きな葉、茎、背丈が1.5メートルにもなるウドは
「独活の大木」と役立たずの諺とされます。

しかし、春には若芽や茎の酢の物、味噌汁、キンピラは独特の風味が絶品です。
店頭の栽培物は味が落ちますが。



ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)も大型です。

北アメリカ原産の帰化植物で有毒です。

小さい花や穂は下に垂れ、黒紫色の実は潰れやすく、
汁がつくとなかなか落ちません。
 昔、悪徳商人が安ブドウ酒の色付けに使ったそうです。

2018.9.12撮影 庭にて

2018. 9.14



オミナエシ



山道で優しい黄色のいかにも女性的なオミナエシを見つけるとうれしくなります。

またもう少し秋が深くなったころ、
「私ここよ」とひっこり顔を見せてくれる「ワレモコウ」(吾亦紅)も
近頃では出会うことがなくなり、すっかり「花屋さんの花」になってしまいました。
 
謡曲「女郎花」(おみなめし)は罪深い男女の情念と苦しみを歌いますが、
平安時代には貴族の夫人や令嬢を「女郎」と呼称したそうで、
黄色の花の華やかさ、優しさが愛でられたものと思われます。
秋の七草の一つ、万葉集にも詠われています。

2018.8.31撮影 R氏別荘にて

2018.09.01


ツユクサ

 

近くの草むらで「ツユクサ」を見つけた。
濃い青色にハッとする。
身近にある草花だが、早朝に咲き、
午後にはしぼんでしまうので、
見過ごしてしまうのかもしれない。

「青」の表現は難しいですが、ツユクサは深い青で、
6年前に東京で見たフェルメール ウルトラマリンブルーを思い出しました。
古くは「ツキクサ」と呼ばれ、青い花びらで衣を染めたそうです。
万葉集に詠われています。

2018.08.24